せっかくゴダールの話をしているので、ついでに連想したことをつらつらと列挙します。
□ゴダール、コジャレ、サリンジャー
・押井守もゴダール好きですよね…。
・押井といえば神山健次なのですが、彼はサリンジャー好きですよねー。攻殻機動隊もそうですが。先日みた『東のエデン』でもバックリと引用されてて「あー好きなんだね〜」としみじみしてしまいました。神山健次は1966年生まれ。
・こういう元ネタ探しも、ゴダールが好きな人よくやりますよね。まぁ元ネタ探しはクラシック音楽でもやるし、ジャンルを超えた鑑賞上のひとつのメソッドみたいになってるので、ゴダールとだけくっつけるのは無理がありますが…。
・そうそう、昨日『はなればなれに』を見た時には単純に『カウボーイビバップ』を思い出しました(たんじゅーん)。監督の渡辺信一郎は1965年生まれ。音楽の菅野よう子は1964年生まれ…よしもとばななと同い年ですね。そういや菅野さんと神山さんは上記の『攻機』で一緒にお仕事されてますね。
□文化的基盤としての90年代、マンガ、ファッション
・ 80年代後半〜90年代にかけての消費には、若干タイムラグがあるものの統一感があるというか。ファッション、漫画、音楽などのクリエイターさんがおんな じイメージをそれぞれのメソッドで追求した結果、一大文化圏になっちゃったみたいなところがあるような気がしています。
・サリンジャーは、そのなかでも貴重な共通軸のひとつでしょうね〜。ちなみに私がサリンジャーを知ったのは、『Banana fish』(吉田 秋生,1986,小学館)で「バナナフィッシュってなにだ?」と思ったのと、小泉今日子がオススメしているって何かで聞いた(ネットによると1980年代の半ばのことだったそうです)のと、「BOYS CRIEDーあの時からかもしれない」(渡辺美里,1987)の歌詞に出てきたからなのです。みごとに同じ時期…そして、全然別ジャンルですねぇ。
・この辺りを好んでいた人たちは、たぶん全員オリーブ読んでてフリッパーズ好きだったと思いますよ(嘘)。
□思想、ソーカル、90年代
・ 昨日ちょっとだけ言及したドゥルーズに限らないのですが、当時の思想系の書物ってのは「難しければ難しいほどカッコイイ」みたいなところがあって、80年 代のニューアカの読み手はそういうのをありがたがってた所があったんじゃないかいな?と思うんですよねー。本場フランスでも「テキストが難解なのが芸風みたいに なってるけど、本当につじつまあってるの?」みたいな批判はあった(後述)んですけども。
・そういうの離れて、「カッコイイ」ってことで消費してたのが日本の80年代だったのかなーと(もちろん、論じる側はちゃんとしていたんでしょうけど、受け手の問題として)。
・渋谷陽一のロッキングオンもそんな感じがしてならないです。が、ロキノンについて論じるにはちょっと違う文脈も必要だと思うので、あんまり深追いはしない形で。
・いずれにせよこういう「小難しいことをありがたがる」のをちゃかした態度がフリッパーズにはあって、それって90年代的だなぁと思います。
・ さきほどの現地でも「テキストが難解なのが芸風みたいになってるけど、本当につじつまあってるの?」みたいな批判ってので有名なのが「ソーカル事 件」(1994)というのがありまして。簡単に言うとソーカルという人がでたらめでそれっぽい論文を投稿した所ものすごい好評価を受けちゃって、それを受 けてネタばらしをしたので評価した側の面目丸つぶれ…みたいなできごとです。
・私はこれを知った時に『pink』(岡崎京子,1989,マ ガジンハウス)みたいだなーと思ってすごい驚きました。主人公のユミちゃんが切り貼りで小説作って投稿したらすごい人気でちゃった、ってところが。岡崎京 子は1963年生まれ。フリッパーズが大好きだったのは言うまでもないことです。
・岡崎京子も思想系からの引用多いですよね…と思ったら、こんなサイトがありました。ネット便利すぐる。岡崎京子による 引用・言及事例集
・この話には『ひなぎく』という映画も入れたい所ですね…。
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